ウコンに含まれるクルクミンの成分により、歯周病治療の新たな選択肢が出来ました。
予防歯科から予測歯科の時代へ
リスク因子として喫煙・肥満・糖尿病が有名だと思います。これらも大きなリスクとなりますので注意が必要ですが、今回はリスク因子の中でも歯周病菌についてです。
バイオフィルムの病原性評価
注目していただきたいのは歯周病の菌の中でもリスクの非常に高いレッドコンプレックスと呼ばれる菌群があります。
その中でも、もっとも歯周病に悪影響をおよぼすP.gingivalisという菌がいます。
病原性の高いP.gingivalisクローン
しかし、P.gingivalisすべてが悪いわけではありません。
Ⅰ型(直毛型)にいたっては、歯周病のリスクが0.16倍です。
つまり歯周病リスクが1/6程に下がります。
ただし、Ⅱ型(パンチパーマ型)にいたっては44.44倍です。
もし、Ⅱ型(パンチパーマ型)で重度喫煙者で肥満(BMI ≧ 30)で糖尿病の方だとすれば
44.44(Ⅱ型)×5.27(重度喫煙者)×8.60(肥満(BMI ≧ 30))×2.32(糖尿病)
=4672,73446 つまり 歯周病リスクが5000倍近くになります。
※実際はリスクが本当に5000倍に膨れ上がるというイメージより、臨床的実感からするとおそらく50倍前後でリスクとしては上限となりそれ以上の方は歯周病が非常に進行しやすいというイメージで良いと思います。ただし、リスク因子を減らしていったとしてもリスクが合計50倍以上の方は歯周病の悪化を予防することが難しいと思います。
さらに、歯周病のリスク因子としては、
・40歳以上
・男性
・飲酒(純アルコール ≧ 33g(1日あたり))
・歯磨き回数(2回未満(1日あたり)) など
も付け加えて考えていかなければなりません。
ですので結論としましては、まずは生活習慣や口腔衛生状態の改善を行います。それでも、歯周病の進行が止まらない方(P.gingivalis Ⅰb型・Ⅱ型・Ⅳ型)にはPG STOPは非常に効果を発揮すると思われます。